ハウスの問題 - 残留農薬検査の基準

日本の単位面積当たりの農薬使用量が多い理由のもう一つ、ハウスの問題だが、これは二つの面からみていく必要がある。

ブドウなどのように、雨に降られると病菌に侵されやすいために、ハウスで保護しているというケースは、必ずしも農薬多投をまねくわけではない。

ところが別の問題がある。

昔はそれぞれの地方でキュウリは何月、なすは何月と、旬時期が決まっていたものだが、今はそれがなくなっている。

「秋ナスは嫁に食わすな」なんて言葉は、今の若者にはピンとこないに違いない。

露地栽培でなら、北海道から九州までの産地を動員しても、イチゴを美味しく食べられるのは、5月から7月までだ。

ところが、今は一年中食べられる。


昭和30年代の毒性の強いPCPは、農薬としては、殺菌剤や水田用の除草剤として使われたが、他の用途でも使用された。

昆虫に詳しい小西博士によれば、「魚介類に対する毒性が強いことを利用して、山梨県などでは地方病を防止し、根絶するために使われました。

『日本住血吸虫』の中間宿主であるミヤイリガイを駆除するのが目的でしたが、これは除草剤としての使用以前に、かなり積極的に使われました。

ついでに付け加えますと、こういう貝類は、ホタルの幼虫の餌ですから、貝が激減した結果、餌を失ったホタルも絶滅に向かうことになったという事情もあります」

実は、PCPのほかにも、農薬が防疫用など他用途に使われた例はたくさんある。

農薬の安全性が議論される時、必ずと言っていいほど取り上げられるDDTは、その代表例だろう。

DDTとは、かつて使われていた有機塩素系の殺虫剤、農薬である。



アフラトキシンなどの天然の発ガン物質は、いずれも実験によって、発ガン性が確認されている。

農薬の場合は、同じ内容を含む多項目のテストが実施され、もしそこで発ガン性が確認されれば、認められない仕組みになっている。

専門家たちは、天然物の危険性をアピールしているのではない。

何が安全で、何が危険かという問題は、それが天然物か合成物かで決まるのではないということが一つ。

そして、もし超微量であっても発ガン物質の存在を認めないというなら、それよりはるかに危険なものが、自然界にもたくさんある

それらと比較すれば、農薬の危険性は、ほとんどの場合、無視できる範囲内だ、と言っているのだ。



農薬の場合だけ、人間にも有害じゃないかと何故大騒ぎされるのか不思議です。

自殺や他殺は、作為があってやっていることですから、農薬の善し悪しの問題とは別次元の話でしょう。

作為のある人にとっては何でもいいんですから。

ただ、誤飲などを防止する意味も含めて、農薬の管理をきちんとする必要はあります

○○さんは、使い方で毒にもクスリにもなる。

次に、X線の例をここに紹介しておこう。

「X線自体は非常にキケンです。発ガン性があって皮膚ガンを作る。しかし、だから使用禁止にしようとやめてしまったら、人類にとっては大変なことになる。X線のおかげで、数えきれないほどの命が助かってきたし、将来別の技術が発明されるまでは、これからも助けられるはずです。人類は、X線と上手に付き合って、害を出さずに利益を享受しているのです。農薬についても、是非そのように理解してもらいたいものです」



無農薬ブーム - 残留農薬検査の基準

「昔はね、嫁が来ると、馬でも買ってきたみたいな言い方をしたもんです。労働力が一人増えますからね。身体が丈夫で働き者、これが農家の嫁の条件でした。今そんなこと言うと、とんでもないと叱られるでしょうが」〇〇さんのお宅では息子さんの奥さんは、農作業には出ず、家事と育児に専念している。

ところで、昨今の"無農薬ブーム"をお二人はどう感じているか。

「無農薬なんてのは無理だろうし、低農薬といっても何と比べてるのか。

基準がはっきりしていないので良くわからない。

でもね、農薬に害があるという消費者やマスコミの声には困っています」と〇〇さん。


製茶工場ごとの単位で農薬の散布を行っている。

農協の防除暦を参考にして、いつ、何をまくかを役員が集まって決め、一斉に防除しているのだという。

「兼業の人もいるので、土、日を中心にスケジュールを組むようにしているんだが、夏場はそうもいっていられん時期もある」と、役員をしている角皆さん。

長雨が続いた時なども、「雨が降る前に済ませておいたら」といった苦情を受けることもあり、苦労は多いようだ。

皆が一斉にやれば、病害虫を効率的に防除できるので、一斉防除方式をとっているのだが、大勢になると、それぞれの事情も色々あって、日程の調整では苦労するようだ。


「水田と畑の除草剤があるから(そちらの手間が省けて)きゅうりができる。

パイプハウスにしたのも、播種時期で1ヵ月半、収穫時期で1ヵ月、ピークの時期がズレる。オッカアと二人で何とかしていく工夫だ」

○○さんは、農業をやる上で農薬は「絶対に必要だ」という。

だから、「使わにゃならん時はなんぼ高くても使う」それが確実に省力化をもたらし、安定した収穫を保証することを知っているからだ。

もっとも、場合によっては使わないこともある。

「冬作のホウレン草には使ったことがない」そうだ。

冬には虫も病気も出ないから答えは明確だ。

「使わないですむなら、誰も使わない」これも明解。



大消費地への供給担う福島県の農業は多彩だ。

県の統計によれば、87年の農業生産高は3,559億円。

耕地面積は19万ha。

その62%を水田が占めるが、大消費地の首都圏に近いこともあって、きゅうり、トマトなどの野菜や各種の穀類、そしてみかん以外のほとんどの果樹と、栽培作物の品種も多い。

そのせいか、農家の経営形態も、単一作物ではなく、複数の作物を生産するケースが多いようだ。

福島市郊外の渡辺さんは、りんごを中心に、桃、ぶどう合わせて117haの果樹園と水田を37ha耕作している。

渡辺さんで農業は四代目。

この地域では比較的規模の大きい農家だが、もう少し規模を拡大し、飛び地もまとめて効率化を図りたいという希望をもっている。

しかし、「先祖伝来の土地には誰しも愛着があるから、兼業農家の人もなかなか手放さないんです。意欲があり、(土地購入の)資金があったとしても、規模拡大は口で言うほどやさしいことではないね」と白い歯をみせる。

渡辺さんは、所有する農地の3分の2をりんごにあてている。


農薬の開発は、全てが順調に進めば、"最短で8年"が可能だが、これは理論上の計算であって、現実はそう甘くはない。

日本の稲作にとって、いもち病が最大の病敵である。

これはつまり、農薬メーカーにとっては、優れたいもち剤を開発できれば、たくさん売れてもうかる、ということである。

住友化学でも、何とかいい剤を開発しようと、試行錯誤を繰り返していたのだが、76年に、非常に有望な化合物がみつかった。

シャーレを使った第一次の薬効スクリーニングでは、あまり目立った成績ではなかったが、実際の植物を使った試験では、きわめてシャープな効果が確認された。

特徴として浸透移行性に優れていること、ベーパーライズ(蒸散)しやすいこともわかった。



一種類の薬剤の慢性毒性試験に、ラットは何匹使われるだろうか。

現在義務付けられているのは、一試験群オス、メス各50匹以上となっている。

従って、試験を三段階の濃度で行えば、それだけで300匹となる。

ウサギを使った「眼一次刺激性試験」で、片眼にしか薬剤を投与しないのは、もう片方の眼と比較するためなのである。

クイズの答えは、もうおわかりだろう。

対照群と呼ばれる無投与の数も合わせて、400匹となる。

もっとも、実際には中間検査などを行うためその倍の800匹程度を使っているという。


残留農薬検査
ややむずかしいが、大手農薬メーカーでの取材を中心にして、順に説明していこう。

まず最初に、候補化合物の探索-合成研究が行われる。

これは、化学の専門家の仕事で、すでにわかっている天然物や合成物についての知識などをヒントに、新しい化合物を合成する。

コンピュータ・ケミストリイといって、細かな研究はコンピュータにやらせる技術も進んできたが、一番大事なことは、独創性のあるアイデアであり、これは研究者の能力とセンスによってまるっきり差が出るのだという。

たとえば、黄色と青の絵の具を混ぜて緑色を出そうというアイデアが大事なわけだ。

それが決まれば、黄色を多目にして黄緑色を作る時には、コンピュータが分量を計算してくれるようなものである。


残留農薬検査
日本の残留農薬基準は、諸外国などに比べて、非常に厳しい数値になっている。

しかし、行政のあり方や法体系の不備を指摘する声は、必ずしも一部の声ではない。

それは何故だろう。

ひとつには、農薬に関連する法規が多岐にわたり、所轄官庁もバラバラであるとの印象が強いためと思われる。

農薬に関する法律の中心は「農薬取締法」で、所轄は農林水産省植物防疫課である。

しかし、食品に残留する農薬の基準は「食品衛生法」に定められており、厚生省の所管であるし、急性毒性の強いものなどは「毒物および劇物取締法」の適用を受け、これも厚生省の所管だ。

ほかにもいろいろなケースがあり、労働省や通産省、自治省など多くの省庁が関係してくる。

こういう状況は、何も農薬だけに限ったことではないし、ある程度はやむを得ない側面もある。



残留農薬検査

病害虫発生予察 - 残留農薬検査の基準

農林水産省は、地方農政局や各県と協力して、気象庁の「アメダス」データなども参考にして「病害虫発生予察」を定期的に出し、何らかの病害虫が大量に発生しそうな時には「注意報」や「警報」を発令する。

各農家では、「防除暦」を参考に大まかな予定をたて、発生予察などの情報をもとに、さらに細かな防除実行計画を考えるわけだ。

ただ一番大事なことは、自分の田や畑に入って作物の生育状況を自分の眼で観察し、農薬散布が必要かどうかを、自分で判断することだ。

防除暦は、あくまでも大まかな目安であって、その年の天候によっては、いくつか省ける場合もあるし、病気や虫が異常発生すると、防除暦通りにやっても不足することもある。


残留農薬検査
考えてみれば、人類の文明というものは、ほとんどが自然の生態系を歪めることで成り立っているようなものだ。

農薬に限らず、人間のさまざまな行為を、単純に"自然破壊"であるという理由だけで退けようとするのはちょっと無理だろう。

太古の昔から、人類は自然と格闘し、それを克服することで、社会を発展させてきた。

それらは、多くの場合、人間だけが快適で便利に生活することが目的だったはずだ。

もちろん、だから何をやってもいい、ということではない。

むしろ、さまざまな形で自然と環境を人間が破壊しているいま、自然との調和を図りながら、この地球をどう守っていくかが、真剣に考えられねばならないと言える。

無制限な森林資源の伐採や、アマゾンなどの秘境地の"開発"が地球環境そのものを変えてしまう、という科学者たちの警鐘は、もっと深刻に考えられてしかるべき問題だろう。

残留農薬検査

科学というもの - 残留農薬検査の基準

「科学というものは絶えず進歩しますから、そういう可能性を否定することはできません。

しかし、いま現在の科学というのは、50年前とは比べものにならないくらい進んでいます。

もちろん、この先50年たてば、私たちの想像以上に進歩するでしょう。

しかし、現時点で大筋として私達がとらえている環境科学や代謝研究の水準は、これから詳細がどんどん解明されていくんだけども、出発点がそもそも間違っているということには、おそらくならないはずです。

ニュートンの万有引力の法則なんて、いまは、言葉としては小学生でも知っていますが、あのニュートン力学というのは、17世紀に確立した学問成果です。

20世紀になって、量子力学という学問によって、ニュートン力学で説明できない、いろいろなことが解明されました。

残留農薬検査

「何年か前、ちょうど古い桃の畑を改植する時に、桃の老木の間にりんごの若木を植えましてね、面倒なんで、桃のクスリしかふらなかったんです。そしたら、りんごは全然だめでした。やるべき時に、やるべきことをちゃんとやらんとダメなんです」

実はかなり以前、渡辺さんは"無農薬"を試みたことがある。

しかし結果は、「病害虫が出て、出荷できるものが全然取れなかった」そうだ。

だから、10年ほど前、東京近郊のある県の農協から、産直の話が持ち込まれ、「無農薬有機栽培で」という条件が出された時に、「それは無理」と断ったのだという。

「消費者がバス一台で来て、ウチらの所に分宿して援農する、なんて話だった。

農薬使うかどうかで向うとこっちの言い分が対立してケンカになりそうになりましたが、毎日の農作業を全部説明して、たまたま放任畑になっている所があったんで、それを見せて"こんな虫喰いの野菜を本当に買うのか"って聞いたら、皆黙ってしまったんです」

渡辺さんは、「場所や作物によっては(無農薬でも)できるかもしれない」という。

「だけど、何も分っていない(消費者の)人に、最初から"無農薬で"なんて言われることには腹が立つね」

当然のことだが、農薬が全く無害安全とは思っていない。

「とくに、農家は原液を扱うこともあるし、自分でまくんだから」。

しかし、「量や使い方をちゃんと守って、扱いを慎重にすれば、それほど心配しなくていい」と考えているから、これからもやめる気はない。

残留農薬検査
ところで、安全係数百分の一、というのは、何の根拠もない数字である。

何らかの間違いがあっても、百倍くらいみておけば安全だろうーということのようだ。

もし、「安全係数があるのだから」と、使用基準(散布回数や量、使用時期など)を守らないようなことがあれば、この安全係数をどこまでも大きなものにしなければならなくなる。

二重にも三重にも、安全確保の網をかぶせていることは、作為をもったり無神経な使い方をするためのものではない。

一つひとつの農薬をどう使うかは、「登録保留基準」をもとに、使用濃度はどれ位で収穫の何日前まで使えるか、とか、一つの作物に何回使えるかなどが決められる。

それらが守られていることを前提にすれば、消費者の食卓にのる作物は安全といってもよいだろう。

「残留基準」は、「食品衛生法」に定められていて、市場の農作物を検査し、基準値を超えていた場合には、その作物の出荷を止めることになっている。

それから、「登録保留基準」は、「農薬取締法」に定められているの安全使用基準が決められるまで
だが、これは八百屋店頭の作物をチェックするのが目的ではない。

「この農薬は、○○PPm以上残留しないように使用基準を設定しなさい」

というものである。

「個々の農産物について残留農薬を分析してみると、残留量の多いものと少ないものがあるが、基準値を超えることはほとんどありません。しかし、誰でも特定の食品だけを食べているわけではないので、一週間分の献立てを想定して材料を集め、これらを全部混合して分析してみることもあります。その場合でも、一日当たりの量でADIよりかなり低い数値が得られることが常です」

残留農薬検査
心配事がないわけではない。

調合する時には原液を扱うし、希釈倍数を間違えてはいけない。

混用する場合の組み合わせにも注意が必要だ。

緊張感を忘れないため、「身近に危険を感じるよう」心がけている。

「生産者としては、"とりあえず効くから"みたいな軽い気持ちで、不十分な知識で使ったり、必要以上にまいたり、というようなことはやってはいかんですね。だから、農家は勉強しなきゃだめなんです。農協や普及所の情報も、常に万全ではないし、中にはよく分っていない人だっている。最近は種類も多くなっていますから。人によっては、誰かが防除しているのをみて、それを教えてもらって"ワレもまく"とやる人がいるが、そんなことじゃダメなんですよ」

「農業経営の効率を高め、収益性を上げるためには、さらにもっと規模を拡大しなければならない。当然、どうやって省力化するかが課題になるんだけど、野菜なんかの場合は、機械による省力化には限界があるんです。たとえば、このあたりは湿性火山灰地で、雑草が生えやすい。これを手で取るなんてできません。除草剤を使わなきゃ、もう絶対に成り立たないですよ」

農薬の恩恵は「たとえて言えないほどに大きい」というのが、竹内さんの実感だ。

「他の産業では、便利なものを使うのは当然とされているのに、農家にとってこんなに有用な農薬を、何故これほど悪く言うのか、世の中間違っていると思いますよ。生産者はね、身体に悪いものを作ろうとなんて思っていません。人間が病気になると薬を飲むのと共通しているはずなのに、どうも違ったとられ方をされているようです」

残留農薬検査
「散布機の発達で、作業者が田の中に入らなくてもいいし、防除衣やマスクをつければ、直接身体に触れることも少ない。

決められた通りに使っていて問題が起こったことはないはずですよ。

自分で食べる物にももちろん農薬を使っています。

それから空中散布による一斉防除も街の人は反対するが、効果が上がっているのは確かでしょう。

専業農家は自分でまけばいいが、空散をやめたら兼業農家が、適期防除できなくなる」

農薬の開発と散布技術を含めた、植物防疫技術、そして農業機械の進歩が大きなメリットをもたらしたということだろう。

ただし、これで万々才ということではない。

「昔は、朝早くから日が暮れるまで、田んぼの中をはっていた。

農業は草との闘いです。

放っておいたら、稲か草かも見分けられないほど雑草が伸びる。

昔はこれを全部手で取っていたから、ツメがすり切れていたもんです。

今は除草剤をまけばいい。省力効果は絶大です。

このことのありがたさは、やってみた者でねば、わかんねエ」

農薬の安全性については、「世間で言うほど心配ないはずだ。極端な事例をとりあげて農薬を悪く言うのはどういうもんかと思う」

といい、環境面や効果の面から、「上からまく剤は雨や風に流されやすい。根から吸収させる方が効果的ではないか」と考えている。

残留農薬検査
「外観が品質の基準になるのは、ある程度やむを得ませんが、反射シートまで使って、全体を赤くする必要があるのか、ということなんです」

反射シートというのは、ポリエチレンのフィルムにアルミコーティングしたシートで、樹の下に敷くと、太陽光を反射して、下からも光を当て、まんべんなく色をつける資材である。

農家の人たちは、味も良くなると言っているが、「私共の試験では、食味は変わらないのです」という。

品質競争が加熱しすぎて、市場の二ーズが過剰にエスカレートしているのかもしれない。

いずれにせよ、りんご園一面に敷かれた銀色のシートの数はおびただしく、やや違和感のある光景ではある。

この反射シートは、10年ほど前から使われ始め、りんごだけでなく、なしや桃の産地でも一般的に使用されているという。

SSを導入して良かったのは、「省力化のほか、散布している時に風が吹いても、あまり自分がかぶらずに済むようになったこと」もあるという。

「最近のクスリは安全になったというけど、色々なことが新聞なんかに書いてある。

ちゃんと使っていれば心配ないとは思うけど、かぶらないことにこしたことはないからね」

片平さんが今欲しいのは、効果の高いダニ剤だという。

「プリクトラン(87年製造中止)が使えなくなって、抵抗性のつかないダニ剤がないからね」

残留農薬検査
竹平さんは今、早生種を青島種に切り換えるための改植に取り組んでいる。

三ヶ日町の中でもかなり意欲的な農家の一人、と言われるだけあって、全国のみかん産地はもとより、りんごやなしの産地などにも見学に行ったこともあるという。

「自然農法や減農薬をやっている現地も見てきたことがあります。

(農薬を)けっこう減らしてやっているところもありますね。

でも、もし"無農薬"でやってくれと言われてもね、本当に全部買ってくれるというんなら考えないこともないけど、自分からやろうとは思わないね。

人それぞれやり方がありますよ」

逆に、日本に対しては鉄鋼で対米報復を行えば、それに対する対日報復を行わざるを得ないという身勝手このうえない圧力までかけている。

加えて、格段に手厚く保護する新農業予算を実施しようとしている。

日本の農業政策に対しては、一段の貿易自由化を要求しておきながらだ。

さらに地球環境対策を取り決めた京都議定書からは一方的に離脱を宣言してしまった。

まことに身勝手なブッシュ政権である。

米国はグローバル化、国際化、自由化という時代の流れをどのように利用するかを考え、それを自国の外交戦略にしている。

日本も見習うべきである。

残留農薬検査
自由競争を国家の基本精神として、世界にグローバル化を迫っている米国が市場原理を、貿易自由化を徹底的に尊重しているかとなると、そうではない。

自由競争も政治の管理下にある。

政治の力によって自由競争を制限している。

グローバル化も米国の都合によって、規制やルールを加えている。

まことに勝手な米国の振る舞いである。

鉄鋼の貿易摩擦を見るが良い。

米国は鉄鋼産業を保護するため、EU(欧州連合)やアジアなどからの鉄鋼に高率輸入関税をかけている。

各国は米国の輸入規制に反発し、ルール違反だとしてWTOに提訴する動きを見せているが、それにひるむ米国ではない。

すでにコメの需給調整を減反といった手法で続けることは限界に達している。

一〇〇万ヘクタールという広大な水田を減反ではなく、コメ以外の耕作地へと本格的に替える必要がある。

それは現行の減反政策、コメの需給調整策の全面見直しを意味する。

政策の目標はほぼ達成された感のある需給調整策だが、その実態は継続することも困難な深刻な危機に直面しているのである。

残留農薬検査
また、サブ指標として、同年度の青色申告農業者数 三八・四万人
農業生産法人 七三〇〇経営体
特定農業法人 一三六経営体
なども設定した。

特定農業法人とは、農業の担い手が確保しにくい地域において農地利用の集積や農業機械の購入などに特典を与える農業法人のことだ。

そのうえで2001年度の目標として、一八・二万の経営体を認定することとした。

さらにサブ指標として、青色申告農業者数 三六万人
農業生産法人 六四八四経営体
特定農業法人 八八経営体
などとした。

さて、結果はどうなったか。

認定経営体
青色申告農業者数農業生産法人
一八・四万
三五万人
六二二二経営体
特定農業法人
八八経営体
などとなった。

数字のうえからは目標を上回るか、それに近い実績となっている。

農水省は経営感覚に優れた意欲ある農業者の機械化や規模拡大を支援することで構造改革を推進しようとしている。

そのために認定農業者制度を設けている。

経営改善計画を提出させ、それを審査し、合格すれば融資などの特典を与える。

こうして全国に意欲的な農家を増やし、農業の活性化と競争力の強化を計ろうという狙いである。

そこで政策目標として、2004年度までに経営改善計画の認定数を二三万の経営体に行うことにした。

この二三万の農業経営体を先進的な農業推進母体として構造改革を推進しようというのである。

残留農薬検査
JAS法が改正されても、再びニセ表示食品が横行する懸念は、強い。

たとえ取り締まりが厳しくなっても、ブランド食品や特別の産地食品は高価であり、容易に手に入らない。

そこにニセ表示食品が付け込む余地は残されている。

そもそもニセ表示商品は、高級ブランド品のニセ物が横行していることからでも分かるように、その背景には消費者側のニーズありき、の側面が強い。

農政の軸足を消費者に移しても、本質的にはニセ表示食品が消滅するわけではない。

農水省が監視を強化して取り締まる。

消費者がニセ物を見抜く眼力を身につける。

この二つの要素が重要である。

次の点は指摘しておく必要がある。

BSE騒ぎを契機に驚くほどニセ表示が姿を消していることだ。

それがマスコミの厳しい糾弾のためなのか、あるいは雪印食品が解散に追い込まれた恐怖からかはともかく、流通・加工業者が本気になれば、ニセ表示は撲滅できる可能性を示したことになる。
逆の見方をすれば、JAS法による取り締まりが、いかに関係者に「舐められていた」かを証明するような社会現象である。

農水省の反省すべき点である。

そして、油断は禁物である。

今回の騒ぎは、やがて時間とともに過去の話になる。

JAS法の改正と取締強化も、その効果のほどは今後の課題である。

残留農薬検査

それでは21世紀半ばに入ってからの産業界の農政に対する主張はどうなっているのか。

実は、産業界による農政批判が弱まっている。

あれほど保護農政を批判し、国際競争力のない農業は構造改革を断行すべきと繰り返し主張していたのにである。

農政批判を弱めたのには理由がある。

それどころではなくなったのだ。

自分達も国際競争力を失っていることに気付かされた。

偉そうなことは言えなくなった。

中国と日本の賃金格差は約二十倍、これでは競争にならないと考えを改め始めた。

日本国内にとどまって、対策を考えていたのでは対応不能と考えだした。

国内にとどまることが前提の農業問題など考えられなくなった。

さらに、農政を批判できない事情も加わった。

貿易自由化という流れは時代の要請であり、日本は国際競争力のある産業に構造改革して行くべきであり、競争力を失った産業を過保護政策で存続させることは日本経済の構造改革の妨げとなる。

農業も近代化経営と規模拡大で競争力を強化させ、それに付いてこれない農家は淘汰すべきである。

そうした構造改革論議は農政批判の主流となり、農水省も保護農政を止め、貿易自由化に適応した新農業政策を実施すべきだという流れとなった。

こうした論調に押されるかのように、農水省は食料・農業・農村基本法を制定し、市場原理を尊重した農業の構造改革を推進し始める。

現在の農政がまさにこれである。

その代表的な対策が近代経営感覚に優れた農家を育成するために認定農業者の増加を志向し、規模拡大と生産性の向上を奨励している。

この報復の可能性が現実に高ければ高いほど,提訴を抑制する傾向が強くなろう。

たとえば,EC諸国の対日差別的輸入制限は明らかにガット違反であるが,1980年代後半に日本がこれをガット提訴することを真剣に検討しつつも結局はためらった背景には,そうすればECが1983年にとりあえず「冷蔵庫に保存した」対日ガット提訴が,報復措置として冷蔵庫からとり出してこられかねないとの懸念があった。

しかもこの懸念は,日本側の思い過ごしでない現実味があった。

さらに,日本を含む多くのガット加盟国にとって,米国やECはきわめて重要な貿易相手である。

裏を返せぽ,米国やECは,報復の余地をそれだけ大きくもっているということであり,貿易相手国を十分威嚇しうるカードをもっているといえる。

1992年6月,通産大臣の諮問機関の産業構造審議会が米国の不公正貿易措置リストを含む報告書を公表した際の米側関係者の反応のように,「自分のことを棚にあげておいて,他国を非難できる身か」との反応が必ず出てくる。

これを克服してガット提訴にまで持ち込むためには,米国やECのように,事実はどうであれ,自分のところは自由な市場だという大いなる自負心が必要かもしれない。

報復される可能性はつねにある。

ガット提訴をほのめかせぽ,相手国によっては,「訴えるならやってみろ。

こちらもやり返すそ」という圧力がかかってくる。

完全に自由貿易を実践している国など世界中にどこにもないのだから,ガット提訴をする気さえあれぽ何か問題をさがしてくることはつねに可能である。

このEC提案の背後には,勧告の実施について必ずしもパネル報告に縛られないようにすることでEC内部で当該パネル報告の受諾を容易にするとの考sx方があったものと推測される。

このように報告採択の問題は,主要締約国間のガット紛争処理に対する考え方の相違を反映してなかなか折り合いがつかず,結局「中間レビュー」以降も継続して交渉されることとなった。

ガットの紛争処理の基本に関わる問題のもう1つは,仲裁制度の取扱いについてであった。

中間レビューまでの議論では,紛争解決のために複数の手段ないしはメカニズムが利用可能で,そのなかから紛争関係国が選択できるようにするとの点については各国の意見はほぼまとまりつつあった。

つまり,パネル以外にもすでに1979年の「了解」以降検討の対象となってきた斡旋(goodofficer)であるとか,和解(conciliation),調停(mediation)といった手段についても,紛争解決の代替手段として利用を促進しようという意図であった。

日本やEC等は,コンセンサス方式そのものが円滑な紛争処理の障害となった事例はそれほど多くないこと,当事国の意思をまったく無視して形式的にパネル報告を採択したところで紛争の実質的な解決に結びつくかどうかは疑義が残ること等を主張し,基本的には現行のコンセンサス方式を維持すべきだと反論した。

日本はこの点に関して1988年3月の紛争処理交渉グループ会合で,パネル報告に対する当事国の異議申立てとこれに基づくパネル報告の見直し手続きの導入を提案し,このような手続きによる審議の結果については,当事国もこれを最終的なものとして最大限尊重することとした。

同会合においてはECも提案を行なったが,その主旨はパネル報告を法的認定(legal findings)の部分と勧告(recommendations)の部分に分け,前者についてはあくまでも完全なコンセソサスにより採択するが,後者については「より柔軟な方法」で採択することとし,かつ前者についてコンセソサスができない場合には採択という形式ではなく,理事会による「テーク・ノート」という形で処理するというものであった。


1品目ぐらいガットのルールから例外扱いされるものがあってよいのではありませんか。

100力国以上のガット加盟国がそれぞれ例外扱いを要求すれば,ドミノ効果でルールが崩れてしまいます。

ガット体制のお陰で貿易から最大の利益を得た日本は,国際ルールをとくに厳しく守らなけれぽルール自体が日本に不利に変えられる恐れがあります。

農業交渉ではECや日本などだけが譲歩を迫られているわけではありません。

すべての関係国が痛みを分け合うことが求められています。

米国も過去にウエー・ミー(義務免除)で認められた例外措置を関税化することが求められています。

日本が今ウエーバー申請をしても認められる公算はありません。

もし日本が自国の特殊性を主張すれば,それは諸刃の剣となり,日本にとって危険です。

「日本が他国と違っているなら世界共通のルールを日本には適用できない」と主張して,日本を差別しようとする国が多いからです。

残留農薬検査
ダソケル案は,規制の対象外になる一連の措置を列挙して,各国政府がそれに補助金を与えることを認めています。

これを「緑の箱」に入っている措置と呼んでおり,次のものを含んでいます。

(1)研究,訓練,助言,販売促進,インフラ整備等の政府の措置。

(2)国内食料援助生産者への価格支持効果をもたらさない所得支持。

(3)所得保険等への政府の財政援助。

(4)災害救済支払い(作物保険制度を含む)。

(5)退職計画または休耕計画を通じて支払われるリストラ援助。

(6)構造調整のための投資補助金。

(7)環境保護計画のもとでの支払い。

(8)地域援助計画の下での支払い。

日本は古来瑞穂(みずほ)の国と称してきました。

コメは日本の歴史,文化,社会,環境と切り離せないものです。

残留農薬検査